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ご挨拶

千葉県高等学校教育研究会数学部会会長

相浦 敦(あいうら あつし)

 

 令和6年度の田口部会長より引き継ぎ、今年度部会長を務めます相浦と申します。

 本部会は、昭和25年(1950年)に、会員の資質向上と親睦を図り、高等学校数学教育の振興を目的として、県内高等学校数学教育担当職員で組織されました。現在、県内180校の公立及び私立高等学校が加盟しています。

 学習指導要領が改訂されて4年目を迎え、定時制においても全学年同じ学習指導要領による教育活動が展開されています。また、令和7年度大学入学共通テストから、科目「数学II、数学B」が「数学II、数学B、数学C」となり、後者においては、数学B2項目、数学C2項目のうちから3項目選択回答することとなっています。これにより、各校授業で扱う内容も工夫されてきております。そして、より思考力が問われるものともなってきています。解き方を教えたり、習熟させたりするだけでなく、考え方を身に付けさせていくことが求められているところでもあります。次期学習指導要領の動向もみながら、千葉県の高校数学教育がますます発展していくための一助となる活動を引き続き行っていきます。


 

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2010/07/21

数学部会総会・春季研究大会

Tweet ThisSend to Facebook | by:おおはし
平成22年度千葉県高等学校教育研究会数学部会総会・春季研究大会が,以下の開催要項にしたがって,実施されました。

参加人数: 77 名
1 主 催 千葉県高等学校教育研究会数学部会
2 後 援 千葉県教育委員会
3 期 日 平成22年6月1日(火)
4 会 場 千葉県立安房高等学校
5 日 程 受付(弁当注文)   9:00〜 9:45
公開授業(2限)   9:50〜10:40
総  会     10:50〜11:40
連絡事項     11:40〜11:50
昼食・休憩    11:50〜12:50
研究発表     12:50〜13:50
講   演    14:00〜15:30
研究協議     15:30〜16:00
閉  会     16:00
6 内 容
(1)    総会
①    挨拶(部会長,教育委員会,会場校校長,会場校数学科主任)
②    議長選出
③    議事
ア 平成21年度事業報告
イ 平成21年度収支決算報告,監査報告
ウ 千葉県高等学校教育研究会数学部会規約の一部改正
エ 平成22年度事業計画案審議
オ 平成22年度予算案審議
カ 平成22年度地区委員選出及び部会長,会計監査の推薦・承認
キ その他の役員委嘱
ク その他

(2)    連絡事項
「平成22年度千葉県科学・先端技術体験スクール」について
千葉県教育庁教育振興部生涯学習課主査 鈴木 大介 先生
(3)    研究発表
①    「平成22年度大学入試センター試験(数学)のアンケート調査結果について」
千葉県立佐原高等学校 宮部 智哉 先生
発表内容  アンケート調査の分析
ア 受験生について
・志望学部
・得点分布
イ 問題分析について
・数学ⅠAの得点層と各大問の分析
・数学ⅡBの得点層と各大問の分析
ウ 受験勉強の開始時期
エ 受験生の意見や感想
オ 数学科主任の意見や感想
②    「体験的活動を取り入れた授業実践・学校設定科目『数学史』を通じた取組」
千葉県立八街高等学校 和田 匡史 先生
発表内容   ア 授業実践1 ピラミッドの石の数を調べる(古代エジプト)
・牛乳パックを実際に積む
・平方数の和の公式
イ 授業実践2 角の三等分(古代ギリシャの三代難問)
・差し金を利用する
・折り紙による三等分
ウ 授業実践3 「ハノイの塔」実習(古代インドの問題)
・大きさの異なる正方形のカードを利用

(4)    講演
「数学科の授業における実験的方法の勧め」
〜コンピュータなどを補助として〜
東京理科大学 理学部第一部 科学教育研究科 教授 清水 克彦 先生
講演の概要
小倉金之助先生(数学教育学者,1885〜1962年)の著書や高等学校数学指導資料集(文部省作成,1992年)を引用されながら,「操作・実験により具体例を通して事実そのものを納得させることが大切で,この目的にはコンピュータは有用な機器である。」こと,また「『数学の発見や発展』は必ずしも論理のみによるものではなく,まず具体的な実例による『実験』を通した深い洞察により,結果の予測が行われ,その後に厳密な証明が与えられるという形で,数学の理論が作られた場合が多い。」ことを指摘された。
そして,数学教育における実験的な方法とは,2つあることを説明された。1つは「数学実験」で,定理や法則が本当に成り立っているかを,グラフや図を描いたりしていろいろな例を見て確かめることである。もう1つは「実験数学」で,様々な具体例を観察して,そこから数学的推測を得て証明していくことである。
3D作図ソフトやGrapesといったパソコンソフトを実際に使って作図等をしながら,「数学実験」,「実験数学」に関して,以下のような具体例を丁寧に説明していただいた。
1 立方体の何辺を切れば展開図になるか?を考えさせる。
どうやっても7辺である。求め方は,「辺の数-(面の数-1)」または「頂点の数-1」の2通り。その理由を説明することで,オイラーの多面体公式が出てくる。
2 ユークリッドの互除法によって最大公約数が求まることをExcelで確かめる。
アルゴリズムを理解することができる。数学実験である。
3 平面図形の問題として,ガモフの宝探し問題を考える。
作図ソフトを使うことで,宝が不動点であることが容易にわかる。
4 京都大学入試の図形に関する問題。
図形を動かして見ると,どういう背景があるかがわかる。
後半は,どこを生徒にやらせて,どこにコンピュータを使うのかを明確にしないといけないことを注意され,コンピュータや電卓で支援したい数学科の4つの活動を,以下のように示された。
1 「見る」活動の支援
2 「探究し・発見する」活動の支援
3 「観察し・実験する」活動の支援
4 「いつでも成り立つ理由を考える」活動の支援
この数学科の4つの活動については,普段の授業でも常に意識して支援したい活動であると感じるとともに,コンピュータを活用することでさらに活動を支援できることの可能性を強く感じた。また,先生の「見て,発見させてから,証明するほうが面白い。」という言葉が印象的で,身近な数学の問題に頭を使い,興味深いお話を伺うことができ,あっという間の90分間であった。

清水 克彦 先生のプロフィール
現職,東京理科大学教授。1981年に筑波大学卒業。1987年に筑波大学教育学研究科で博士単位取得満期退学。その後,数学教育及び教育工学に関する研究に従事し,前国立教育政策研究所初等中等教育研究部総括研究官,サン・ディエゴ州立大学理数教育研究所客員研究員,オハイオ州立大学教育学部フルブライト若手研究員,ミズーリ大学客員研究員などを歴任。
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