千葉県高等学校教育研究会数学部会
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ご挨拶

千葉県高等学校教育研究会数学部会会長

相浦 敦(あいうら あつし)

 

 令和6年度の田口部会長より引き継ぎ、今年度部会長を務めます相浦と申します。

 本部会は、昭和25年(1950年)に、会員の資質向上と親睦を図り、高等学校数学教育の振興を目的として、県内高等学校数学教育担当職員で組織されました。現在、県内180校の公立及び私立高等学校が加盟しています。

 学習指導要領が改訂されて4年目を迎え、定時制においても全学年同じ学習指導要領による教育活動が展開されています。また、令和7年度大学入学共通テストから、科目「数学II、数学B」が「数学II、数学B、数学C」となり、後者においては、数学B2項目、数学C2項目のうちから3項目選択回答することとなっています。これにより、各校授業で扱う内容も工夫されてきております。そして、より思考力が問われるものともなってきています。解き方を教えたり、習熟させたりするだけでなく、考え方を身に付けさせていくことが求められているところでもあります。次期学習指導要領の動向もみながら、千葉県の高校数学教育がますます発展していくための一助となる活動を引き続き行っていきます。


 

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2009/06/03

平成21年度千葉県高等学校教育研究会数学部会総会・春季研究大会報告

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平成21年度千葉県高等学校教育研究会数学部会秋季研究大会が、以下の開催要項にしたがって実施されました。

参加人数:80名 
1 主 催 千葉県高等学校教育研究会数学部会
2 後 援 千葉県教育委員会
3 期 日 平成21年6月3日(水)
4 会 場 千葉県立大多喜高等学校(受付,公開授業)
      大多喜町中央公民館(総会,研究発表,講演,研究協議)
 
 
 
5 日 程 受付(弁当注文)   9:00~ 9:35
      公開授業(2限)      9:40~10:30
       移  動
      総      会    11:00~11:50
      連 絡 事 項   11:50~12:00
      昼食・休憩    12:00~12:50
      研 究 発 表   12:50~13:50
      講   演       14:00~15:30
      研 究 協 議   15:30~16:00
      閉   会    16:00
6 内 容 
(1) 総会
① 挨拶(部会長,教育委員会,会場校校長,会場校数学科主任)
② 議長選出
③ 議事
ア 平成20年度事業報告
イ 平成20年度収支決算報告,監査報告
ウ 平成21年度事業計画案審議
エ 平成21年度予算案審議
オ 平成21年度地区委員選出及び部会長,会計監査の推薦・承認
カ その他の役員委嘱
キ その他
(2) 研究発表
① 「平成21年度大学入試センター試験(数学)のアンケート調査結果について」
 千葉県立小金高等学校 坂本 大輔 先生
 

 発表内容  アンケート調査の分析
        ア 受験生について
          ・志望学部
          ・得点分布
        イ 問題分析について
          ・数学ⅠAの得点層と各大問の分析
          ・数学ⅡBの得点層と各大問の分析
        ウ 受験勉強の開始時期
        エ 受験生の意見や感想
        オ 数学科主任の意見や感想
② 「定積分を用いないで面積を求める方法」
 千葉県立犢橋高等学校 佐藤 富美男 先生
 

 発表内容   ア 放物線で囲まれた図形の面積
          ~6分の1チップの秘密~
        イ 3次関数のグラフで囲まれ図形の面積 
           ~4分の1チップの秘密~
        ウ 先生方への問題
 
 
 

(3) 講演
「大学の研究成果の製品化奮闘記」
 千葉大学工学部共生応用化学科 教授 斎藤 恭一 先生
 

講演の概要
 斎藤先生の研究分野は、放射線グラフト重合法である。丈夫で美味しいリンゴの木を作るには、丈夫な木に美味しいリンゴの木を接ぎ木しなければならない。グラフトとは接ぎ木という意味で、化学の分野では放射線グラフト重合法という技術によって高分子製の材料の開発に応用されている。斎藤先生は、これまで幾つかの企業と共同研究を行い様々な製品の開発に携わってきた。
 まず初めに、「ゴルゴ13」の一場面を例に、海水からウランを採取する吸着材料の話をされた。ウランは原子力発電に欠かせない物質であり、日本にとって重要なエネルギー資源である。そのウランが海水1tの中に3mg溶けている点に着目し、放射線グラフト重合法によって開発された吸着材を海の中に浸してウランを吸着させる方法が紹介された。理論から実験そして実用化までの奮闘ぶりは、ちょっとユーモラスでとても楽しい話であった。他にも、汗臭さを取り除くデオドラントスーツや虫歯予防のための食品添加物を製造する材料を開発したエピソードなどが紹介された。後半は、放射線グラフト重合法を応用したタンパク質多層集積構造についての説明があり、その理論と実践には大変興味深い内容が多かった。
 最後に,数学の果たす役割として、
1.定量化:設計ができる
2.一般化:応用力がつく
3.厳密化:理論を作れる
を挙げ、斎藤先生の経験に基づく数学観について話された。その中で、研究結果をまとめていくときの定量化の力や研究成果を論文や特許として記述するときの論理構築の力が大切であることを教えて頂いた。興味を引く話題と巧みな話術であっという間の90分間であった。
 
斎藤 恭一 先生のプロフィール
 現職,千葉大学教授(大学院工学研究科共生応用化学専攻)。1953年,埼玉県生まれ。1977年に早稲田大学理工学部応用化学科卒業。1982年に東京大学大学院化学工学専攻博士課程修了。その後,東京大学助手,講師,助教授。1994年2月から千葉大学助教授。2003年から現職。放射線グラフト重合法を適用して,分離や反応に役立つ高分子材料を開発。著書には,応用数学の教科書として「道具としての微分方程式」(講談社ブルーバックス),「なっとくする偏微分方程式」(講談社),「数学で学ぶ化学工学11話」(朝倉書店),科学英語の本として「理系のためのサバイバル英語入門」(講談社ブルーバックス),「理系英語の道は一日にして成らず」(アルク),「理系英語最強リーディング術」(アルク),そして専門書として「猫とグラフト重合」(丸善),「グラフト重合のおいしいレシピ」(丸善)。

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