千葉県高等学校教育研究会数学部会
ここは千葉県高等学校教育研究会数学部会のサイトです。
 

ログイン

リンクリスト

カウンタ

あなたは371527人目です。
千葉県高等学校教育研究会数学部会
のWebサイトへようこそ
 

ご挨拶

千葉県高等学校教育研究会数学部会会長

相浦 敦(あいうら あつし)

 

 令和6年度の田口部会長より引き継ぎ、今年度部会長を務めます相浦と申します。

 本部会は、昭和25年(1950年)に、会員の資質向上と親睦を図り、高等学校数学教育の振興を目的として、県内高等学校数学教育担当職員で組織されました。現在、県内180校の公立及び私立高等学校が加盟しています。

 学習指導要領が改訂されて4年目を迎え、定時制においても全学年同じ学習指導要領による教育活動が展開されています。また、令和7年度大学入学共通テストから、科目「数学II、数学B」が「数学II、数学B、数学C」となり、後者においては、数学B2項目、数学C2項目のうちから3項目選択回答することとなっています。これにより、各校授業で扱う内容も工夫されてきております。そして、より思考力が問われるものともなってきています。解き方を教えたり、習熟させたりするだけでなく、考え方を身に付けさせていくことが求められているところでもあります。次期学習指導要領の動向もみながら、千葉県の高校数学教育がますます発展していくための一助となる活動を引き続き行っていきます。


 

日誌

行事の記録 >> 記事詳細

2008/08/11

平成20年度見学研修会が行われました

Tweet ThisSend to Facebook | by:氏家悟

今年度の数学部会の見学研修会が,平成20年8月11日(月)に日本大学理工学部船橋キャンパスにおいて実施されました。当日は厳しい暑さの中,県内の各高校から51名の先生方が参加されました。

1 はじめに
今年度の見学研修会は,日本大学理工学部のご協力により,学内施設見学と理工学部教授青木義男先生の講演及びコンピュータ実習に加え,高大連携による高校理数教育の発展についての研究協議を行うなど多彩な内容の研修会となりました。

2 開会
中村秀夫部会長による開会の挨拶のあと,青木義男教授から日本大学理工学部についての説明をいただきました。同学部では,高大連携に積極的に取り組み,大学独自のプログラムによる体験型の教育を行っているとのことでした。今回は文部科学省大学教育改革支援プログラム採択による「未来博士工房」や「テクノプレース15実験設備」など新しい施設を見学させていただけるという説明がありました。

3 講義
参加者は,事前の参加希望調査に基づき,午前の部として「講座A-1」と「講座B-1」から1講座,午後の部として「講座A-2」と「講座B-2」から1講座をそれぞれ受講しました。その後,高大連携をテーマとした日本大学理工学部の具体的な取組の紹介と高校理数教育の発展についての研究協議を行いました。

(1)講座A-1 「日本大学理工学部施設見学」
日本大学では,講義について行けない学生や精神的な悩みを抱える学生へのケアが重要課題の1つであり,新たに学習支援センターを設置して精神的ケアや個別補習等を行っているという説明をいただきました。その後,文部科学省大学教育改革支援プログラム採択による「未来博士工房」の説明と実習室の見学をしました。このプロジェクトは,徹底した体験型教育システムによって自主企画型体験学習と目標達成型教育を充実させ活気あるキャンパスをつくることを目的としています。この他,テクノプレース15実験設備や学術フロンティア推進事業マイクロ機能ディバイス研究開発センターの見学及び説明をいただきました。2時間におよぶ施設見学及び説明を通して,様々な視点から学生を支援しようとする日本大学の熱意が伺えました。


(2)講座B-1 「KNOPIX/Mathの教育利用研修」
講師:県立東葛飾高等学校 大橋 真也 先生
県立清水高等学校  加藤 忠彦 先生
県立柏陵高等学校  氏家  悟 先生
数学で使える様々なアプリケーションを収録したKNOPPIX/Mathの使い方と幾つかのソフトの説明がありました。「3D-Xplor Math(JAVA版)」は,2次曲線など高校の授業で扱う曲線はもちろん,ルーローの三角形や定幅曲線のように生徒の興味関心を引き出すような図形もアニメーションで解りやすく示すことができます。また,「kseg」は,平面上で簡単に図形を描くことができるソフトで,条件を満たす点の軌跡を画面上で図示することができます。この他に,統計処理ソフトや関数ソフトなど様々なソフトが収録されているとのことでした。実際に操作してみてその有用性を実感することができました。


(3)講座A-2 「先端ロボット技術で実現,宇宙エレベーターとその可能性」
講師:日本大学理工学部精密機械工学科教授 青木 義男 先生
宇宙エレベーターとは宇宙と地球をつなぐエレベーターで,その原理は静止衛星から地上まで36,000kmのケーブルを垂らし,このケーブルを軸として電気動力でエレベーターを昇降させるものです。現在,国際的に研究が進められ,ケーブルの強度や電力供給など技術的な課題はありますが,ロケットに比べて安全なことや燃料を使わないので環境にやさしい点などメリットの高い研究分野です。当面の課題はケーブルの強度で,現在ではカーボンナノチューブという素材の開発が進み,経済産業省によると宇宙エレベーターに必要な強度に達する目標年は2026年に設定されているそうです。将来,「宇宙旅行はエレベーターで」という日が来るかもしれません。


  

(4)講座B-2「数式処理ソフトMaximaを授業に生かす」
講師:県立東葛飾高等学校 大橋 真也 先生
この講座では,簡単な関数計算や数値計算,グラフ描画などができるソフト「wxMaxima」の使い方についての説明と実習が行われました。 「wxMaxima」は,高度なプログラミングを行うには適さないが,「Maxima」を簡単に使いたいときには便利なソフトで,関数の使い方を知らなくてもメニュー操作で簡単に使える点が特徴です。「wxMaxima」の基本操作の説明の後,各自練習の時間となりました。皆さん,マニュアルを読みながら入門ノートの練習問題などに熱心に取り組んでいました。

4 研究協議 『高大連携のための「高校生ものづくり講座」,
「カレッジインターンシップ」の紹介』
講師:日本大学理工学部精密機械工学科教室主任教授 町田 信夫 先生
日本大学理工学部精密機械工学科教授     青木 義男 先生
日本大学理工学部精密機械工学科教授     内木場文男 先生
日本大学理工学部精密機械工学科では,高大連携の取組としてジュニアマイスター育成プログラムを実施しています。これは,「夢のあるものづくり話」によってモチベーションを高め,到達目標が明確なプロジェクト型授業によって達成感を持たせる体験型教育システムです。その具体的な取組として,ロボットコンテストの様子など興味深い報告がなされました。このプログラムの教育的効果と将来性から,高大連携は今後さらに拡大すると予想されます。高大連携の具体的な取組の紹介の後,研究協議会を行いました。「工業高校などの専門科の教員へ貴学のプロジェクトを知らせて欲しい。」という参加者からの要望や,「高校の物理部や理科部はどんな活動をしているのか。」という大学からの質問など和やかな雰囲気の中で研究協議会が行われました。
 
   

5 おわりに
大学における高大連携の意識は,私達の認識以上に加速しています。今後大学の設備と技術力を活用した高校理数教育は益々盛んになるものと予想されます。この研修会を通して,中高生の理系離れを抑制するためにどんな理数教育を行うべきか再考させられました。今年も大変有意義な研修になったと思います。皆さんご協力有り難うございました。


00:00 | 投票する | 投票数(0) | コメント(0)